母の介護生活が始まって12年目。少々体調を崩しクリスマスに入院したのをきっかけに、私たち家族は母の生死と向き合う、3度目の機会を得ました。
3度目の今回、1度目、2度目と大きく異なるのは、介護をする妹の心をお医者様がよく理解して下さっているということです。
妹の信頼がさらに深まっているし、“外”の立場から最良な提案をもらえている様子で、私達は「いのちに寄り添うこと」を改めて教えて頂けているのだなと感じています。
3人きょうだいの長女である私は母の介護には携わっていません。母が営んでいた事業を代わりに引き継いだため、介護は他の家族にお願いしてきました。
介護の中心となっている妹は、ひとつひとつ母に合わせてケアを構築し、幸せな日常を作り続けてきました。妹と同じ歳の弟嫁は、本当によくサポートしてくれています。父は妹に絶大な信頼を寄せ、介護報酬を支払い、全てを任せてきました。弟は自分の子どもと妹の子どもの面倒をよく見てくれます。在宅介護の実家に同居してくれている妹婿は、渦中にいながらいつも冷静に事実を妹に伝えてくれます。
状況としては私も“外”の人間として家族の介護を見てきました。変わりゆく母の姿と、日々変化する家族の葛藤を“外”で受け入れるにはだいぶ時間が必要でしたが、多くの感情がそぎ落とされ心中は感謝だけになってきました。
本当に少しづつ、少しづつ衰えていく母の身体。大きくみると私達も同じですが、母の身体は死を受け入れる準備が始まっているようだと感じられます。
どれくらい続くかは分かりませんが、その日が来るまでじっくりと、生きること死ぬこと、娘としてそれを体験することについて考えたり感じたりして、「いのちに寄り添うこと」を学んでいきたいと思っています。
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