【“共に生きる”の実験の場|ウェル洋光台】
横浜駅から電車で約20分、「洋光台駅」から徒歩3分ほどにあるシェアハウス「ウェル洋光台」。
社員寮だった物件を住人の手でリノベーションし、「贈り合う暮らし」をしているシェアハウスとして2015年にメディアで紹介されたことをきっかけに、注目されるようになったシェアハウスです。
■みんなで持ち寄って、暮らす。アーバンパーマカルチャー最前線、“ギフト”で成り立つシェアハウス「ウェル洋光台」
https://greenz.jp/2015/11/17/well_yokodai/
1階…7部屋、2階…10部屋、3階…12部屋、屋上…1部屋=合計30部屋
※屋上と、107はテント
共用のラウンジ、ダイニングキッチン、パントリー、テラス、ガーデンなどがあり、トイレ、シャワールーム、ランドリーも各階に設けられています。
「ガイアエデュケーション2021」の公開講座の動画で、オーナーの戸谷さんがその暮らしについて詳しく紹介しているのでぜひご視聴頂きたいと思います。
https://www.youtube.com/watch?v=yd–utHDuEs
↑このような内容も紹介されていて、シェアハウスの暮らしの可能性について感じさせてくれます。
※ウェルの沿革、事業主・大家の戸谷さんファミリーの紹介はこちら
https://www.well.yokodai.org/post/jp_material#viewer-7mipt
私は今年「ガイアエデュケーション2023」に参加しており、その中のプログラムとして先日8月20日に戸谷さんのオンライン講座を受講しました。
事前に見学・取材のお願いをしたところ、ゲスト用のガイド作成の依頼を頂いたため、ガイアエデュケーションの帰りにお伺いしました。
様々な資料を拝見し、打合せなどをする中で感じたこと、2泊3日の滞在の中で実感したことなどを少しまとめてみたいと思います。
■大きな家
シェアハウスは住人の暮らしの場なので、見学や取材は基本的にあまり受付けていないとのこと。
ホームページには「大学生/20代・外国人・カップルを中心に継続的に住人募集中」とあり、このような方々を受入れ、新しい縁を繋いでいるようです。
私の場合は、ガイアエデュケーションのご縁、そして昨年、娘のチイが10日ほどお世話になっていて、そのご縁で取材をお願いすることができました。
「多様な仲間が暮らす大きな家」
お手伝いで作成したガイドの見出しはこのようにさせてもらいました。
外国から訪れて暮らす住人や旅人が外国語で話しながら料理をしていたり、戸谷家の子どもたちが元気に過ごしていたり、カップルがソファでくつろいでいたり…。世代も様々な住人が35名ほど、共に暮らしています。
動画の中では「問題が大好物」というお話が出てきます。
問題を解決する方法を見出すよりも、困ったことが起こる度、どうしよう、とみんなで考える。それが大事なコミュニケーションになっているようです。
「家族」と考え、その暮らしを困りごとも含めて丸ごと味わう、互いが多様な個性を持っていると理解する…などというあたりが、個人的にはとても共感できます。
住人の友人知人、旅人がゲストとして訪れるほか、地域住民との交流もあったりするようで、このような人の出入りが「大きな家」の風通しの良さを作っているとも感じました。
■暮らしの様子
こちらもガイアエデュケーション2021の動画やホームページで詳しく紹介されていますので、私からは今回の取材で見た風景、知ったことなどを…。
・暮らし方はそれぞれ…ラウンジやキッチンで見かける住人は全員ではないようでした。
・食事もそれぞれ…夕食時はキッチンに住人が集まりますが、それぞれに作ってそれぞれに食べるスタイルのようでした。
・バースデーケーキ…誕生日だった住人がいて、キッチンにいたメンバーでケーキでお祝いをしていました。
・ガーデンの手入れ…早朝から手入れをしている住人がいました。
・戸谷ファミリー…私が伺った日はご家族4人ラウンジで映画鑑賞をしていました。大家の戸谷さんは夜になると住人の相談を受け話したりしていました。
・掃除…「したい人がする」ということになっているそうで、2泊3日の中では掃除をしている様子は見かけませんでした。
・キッチンの片づけ…使った人が自分で使ったもの、場所を片付けていました。
・ゲストの受入れ…「ゲストブック+チェックシート」が準備されていました。チェックシートの内容についてよく聞くと「今は変わった」「やっていない」などという箇所がいくつかあり、いろいろ変化しているようでした。
・ゲストの滞在費…寄付制になっていました。「デポジット(保証金)」を預けるシステムもあり、チェックシートのチェックが完了すると返金されるようになっていました。
・ゲストが料理…フリーの調味料があり、そちらをお借りできました。「使ったら、何かで返却する」ということになっているそうで、私は多めに作った料理を住人に食べてもらいました。
・ランドリー…洗濯は無料、乾燥機は一回200円でした。ノートに部屋番号を書くシステムでした。
・浴室…シャワールームは無料、浴槽付きは予約制(ノートに記入)・100円でした。
・ゲスト用のテント…部屋が足りない時に使うテントが屋上とガーデンにありました。
・生活ガイド、説明書…住人用のこまかなガイドや説明書がありました。文章量がかなり多く「心配な人が読んでくれればいい」というスタンスのようでした。
印象としては「普通に暮らしている」という感じ。私たちはなぜこのような暮らしができないと思い込んでいるのだろう、と考えました。
小さな家族も、大きな家族も、思いや関りの根っこは同じだな、という感じがしました。
■住人の声
昨年、わが家のチイがお世話になった際、チイはウェルの見学に来ていたSちゃんと親しくなりました。
その後、Sちゃんは住人となり、今回、お会いすることができて、その思いを聞くことができました。ご本人の許可を頂けましたのでシェアさせて頂きます。
「ウェルに住むことが夢で、そのために2年間準備してきた」というSちゃん。
その理由について「自分のやりたいことリストのうち、ウェルに暮らすだけで10個くらい叶うと思った」と言います。
実際叶ったことを教えてもらいました。
・お庭の畑でとってきてそのまま料理する
・自然を感じながら暮らす
・風がよく通る、星の見える家に住む
・庭の木々を愛でつつ生活する
・子供のいる暮らし
・自分にあった環境に身を置くことで、似たようなことに興味がある人に出会える
・ビジネスをやってみる(グラノーラ屋さん)
・日常生活で着物を着る
・街を歩いていると知り合いに会う
・憧れのベッド生活(今までずっと敷布団)
「ほんとにちょっとしたことが多いです。でも私を幸せにしてくれることばかりです」とのこと。
教えてもらった私も、幸せな気持ちになりました(*^^*)